さて、ネタバレネタバレ。
キャット・ウーマンがこの映画では、バットマンの味方につきます。これは予想してなかった。過去のバットマン映画で、ミシェル・ファイファーのキャット・ウーマンはしっかり悪党だったと思うし、そういえば、ハル・ベリーのキャットウーマンはみてないなぁ。アン・ハサウェイは、最初こそブルースの母の形見の真珠のネックレスを盗んだりしていて、盗みを稼業とする犯罪者なのだけど、完全に不二子ちゃんポジションに着きます。そうでなくっちゃ。
アルフレッドの引退後のビジョンは、フィレンツェのカフェでくつろぐこと。そして視線の先の少し離れたテーブルには、ブルースが恋人と語らっている、という……「坊ちゃま、いつまでも健やかにお過ごしください。うう、私はもうブルースぼっちゃまが肩の荷を降ろされた姿が見られてうれしゅうございます。」という勢い。実際にはそんなセリフはないけど。前半にアルフレッドの語りとして出てくるこのシーンが、最後に実現していて、しかもブルースと語らうのはしっかりアン・ハサウェイ!というシーンでは観客から歓声があがりました。
砂漠の竪穴牢獄に閉じ込められて、さらには腰かどこかを脱臼していて起きることすらできないブルース。仲間の囚人が荒療治を施してくれるのだけど、その痛みにのたうち、意識朦朧としているところに現れるのは、前々作で死んだはずのクワイ・ガン・ジン、じゃなくて、あれ、だれだっけ。キャラクターの名前が分からん。すみません、バットマン・ビギンズを真面目に見てません。とにかく、リーアム・ニーソンが出てきます。「お前は俺が殺したはずだ」とブルース。「死には色々な形がある。」とか言って煙にまくクワイ・ガン・ジン。やっぱりこいつジェダイだ。渡辺謙は出てきません。
この映画の最大のサプライズと最初見えたのは、マリオン・コティヤールがベインの黒幕であり、砂漠の竪穴牢獄からの脱出に成功した伝説の子供であり、つまりクワイ・ガン・ジンの娘であることでしょう。竪穴牢獄から脱出した伝説の子供の話は牢獄の仲間から繰り返し語られ、そのシーンではその子の顔も何度も映るのだけど、観客はその子がベインだと思い込むよう誘導されてるし、今のベインはフェイス・ハガーみたいなマスクをしているので、整った顔立ちのその子がベインだといわれても違和感もなく、まさか女の子だとは思いもしなかった。マリオン・コティヤールが正体を現してからは、よりはっきり女の子だと分かるように牢獄からの脱出シーンが繰り返されますけどね。
しかし。実は最大のサプライズ、そして観客への最大のご褒美は、バットマンが事件を解決してからの後日談にありました。事件中の警察の融通の効かない対応に愛想を尽かし、警察を辞めたジョセフ・ゴードン・レビット君は、どこかの役所に立ち寄って何か書類を受け取ります。そのとき、書類を渡した役所の女性が言います。
「あなた、ファーストネームを使った方がいいわ。ロビン」
そうだったのかぁああああああああ。そうと分かれば、あれも納得これも納得。いや、なんでレビット君のキャラクターが設定されているのか、ちょっと不思議だったのですよ。ゲイリー・オールドマンに活躍させとけばいいじゃん、でも、あれか、オールドマンだけに、年取りすぎてアクションシーンに無理があるのか、でも核爆弾を積んだトラックが橋桁から落ちても核爆弾と共に平気な顔でトラックから出てきてたし(ここも観客大笑い)。まぁインセプションで監督に気に入られたのかなぁ、とか色んなこと思ってたのだけど、すべて腑に落ちました。主役級も当然。
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