Coriolanus (邦題:英雄の証明)
ヒースロー空港で買ってかえったDVDで見ました。正直に言うと、途中、寝ました。Martiusがローマを追放されるあたりで。
シェークスピア劇は私には高尚すぎる。特に今回期待がハリウッドアクション映画っぽいものになってたからなぁ。
だって、主演・監督、レイフ・ファインズ=ハリポタの「例のあの人」で、その仇役はジェラルド・バトラー=「300」のレオニダス。
しかも舞台は現代に翻案されていて、迷彩服を着た主人公達が市街戦に飛び込んでいく。
舞台は人々が「ローマ」と呼ぶ国だけど、完全に現代アメリカないしヨーロッパ。CNNのようなメディアが戦争と政治を報道しつづけ、将軍や政治家たちは議会ではなく、テレビ局のスタジオで民衆と対峙する。
それでいて、セリフはどうやら全部シェークスピアのセリフ。疑問文をDo使わずに本動詞を前に出すことで作ってたり、他にも色々語順が古めかしい。
国の名前だけはローマにする必要があったけど、それ以外は古代ローマを舞台にした社会劇のセリフが、現代劇のセリフとして通用するというのが面白い。現代欧米社会が共和制ローマを色んな点で踏襲しているせいでしょうね。
僕が期待したアクションシーンも、かなり気合が入っていて、ローマがヴォルスキ人の住む街コリオリに攻め込むシーンは緊張感あふれるものでした。
が、凱旋してきたレイフ・ファインズ=マーシャス=コリオレーナス(コリオリの英雄、の意)が、コンスル(大統領みたいなもの)に立候補すると、これに反対する議員達が民衆をけしかけて、彼を追放します。
この辺、現代政治劇としては素直すぎるし、気が進まないのに母親に説き伏せられて立候補に同意するマーシャス、というストーリーも、現代劇の主人公としては素朴すぎる。母親、と言っても、おばちゃんタイプではなくて、伝統ある一族の誇り高い母、なんですけどね。
追放されたマーシャスは、宿敵ヴォルスキ人のジェラルド・バトラー=オーフィディアスと手を組み、ローマに復讐をしかけます。高速道路を列を成してローマに向かうヴォルスキ人の戦車部隊。ここの戦争描写はTVの報道によって示されるだけで、アクションシーンありません。
オーフィディアスが長年の仇敵マーシャスを歓迎するのはハリウッド映画でもありがち。その後、マーシャスがヴォルスキ人の兵士の信頼を勝ち得たあたりで、オーフィディアスがマーシャスへの嫉妬心を部下に漏らすシーンがあります。ハリウッド映画なら、これをきっかけに二人の確執が深まるところですが、深まりません。だって、その前に、「母」が登場するから。
ローマの最終兵器「母」。まぁ、母親だけじゃなくて、妻と、息子も一緒なんですが、とにかくマーシャスの所にやってきて、ローマ攻撃を止めるよう求めます。
ここでマーシャスはまた母親の言うことを聞いてしまう。この展開は、今時の映画ならありえないと思う。が、古代ローマの史実がそうなっていて、シェークスピアもその通りの話に作っている。ここを変えたら台無しなんでしょうね。
でも台無しになった方の映画を見てみたい。
おまけ。映画で寝た、と言えば、昔、まだ映画といえばスターウォーズやバック・トゥ・ザ・フューチャーしか見たことがなかった頃。 Moonstruck (邦題:月の輝く夜に)という映画を映画館で見て、思いっきり寝ました。今調べてみたら、オスカーをいくつも取った、評判のいいコメディ
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