先週の日曜(おっと微妙に日付が変わってる、先々週の日曜だ)、 Heidelberg の旧市街の中の映画館 Gloria で、この映画の Preview があるのを見つけた。 日曜16:00 から、一回限りの、英語上映、ドイツ語字幕付き。しかも先着30名には Sekt (シャンパン)のサービス。お、いいねぇ。
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Black Swan[LINK]"
あ、ナタリー・ポートマンだ。バレエの白鳥の湖をやるのか。当然オデット役だね。で、黒鳥役にいじめられるに違いない。この辺、私が小学校1年生頃に読んだマンガではなぜか定番だった。バレエと言えばトゥシューズに画鋲だしなぁ。
と俄然興味を持って、Gloria に出かけたところ、15:25ですでに Sold out だった。実は、その日12:00頃にも一度 Gloria の前を通っていて、「あのときチケットを買っておけばあぁぁぁ」と頭の中で絶叫しながら家に帰り、twitter に愚痴って寝た。
先週の木曜から一般公開。予想に反し、 Mannheim のシネコン CineMaxx が毎日三回ずつの英語上映の大判振舞。よかったぁ。ってことで、昨日、16:30の回を見てきました。なお、ドイツ語字幕がないせいか、席はガラガラでした。
(ここから、思いっきり内容に触れます。見る前に読んでしまうのは勿体ないです)
喜び勇んで見に行ったものの、大変困惑しております。一言でいうと、苦手な映画だったので。
何が苦手なのか?ゲージツ的な映画は確かに苦手ですが、この映画、バレエを題材にする割にはあまりそうではありません。何をゲージツ的というかも微妙ですが、見ている間ずっと緊張していて眠くなる暇がありません。
じゃぁホラーなのか?血糊や残酷描写が満載なのか?いや、そうでもないです。あのう、血も出ますし、痛そうなシーンもいくつかありますが、なんていうかな、クリスティーのミステリ映画程度のもんです。そっち方面だけでいえば、PG-12にもならないかも。
が、この映画、あっち方面のシーンが予想外に多いので、お子様には見せられない映画になっております。しかも全然鼻の下が伸びないんだ、これが。まさかのナタリー・ポートマンのそういうシーンなのに。なんでかっていうと、見てる私が怯えてたんだと思う。
そう、見終わった今ならホラーではないと言えるものの、見ている間はいつそういう展開になるか分からなかったのが一つ。もう一つは、物理的な脅威は訪れないものの、ニナ=ナタリー・ポートマンの心理的な苦痛や恐怖は映画の冒頭からずぅーっと続いていて、見ているこっちも息つく隙がない。やな映画見に来ちゃったなぁ、が中盤まで見たところでの感想。
予想に反して、オデット=白鳥役だけでなく、黒鳥役も同時に演じることを求められるニナ。
純真さと可憐さなら地でこなせるが、奔放さや妖艶さを求められて苦しむことに… 演出家トマ=ヴァンサン・カッセルが、悪党面で、パワハラ・セクハラを繰り広げます。
って、これがたとえばティーンの主人公なら、たしかに求める方が悪ですわな。が、この主人公は、えー正確には何歳なのかわかりませんが、25? 30? ナタリー・ポートマン、今調べたら、81年生まれですね。もうすぐ30歳。自己を解き放つことを求められて、何を迷うことがあるものか。
トマもただのセクハラオヤジではない。いわゆる「必然性があれば…」って奴で、演出上の必然性がそこには十分すぎるほどあって、決して劣情に流されてはいない。こいつ、善人認定。彼はプロの仕事をしているだけ。
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